西陣箔 2020.12.04

伝統工芸ネイルの展開する「西陣箔」は、西陣帯に使われる和紙や箔を使用した希少な商品です。全てが手作業でひとつひとつ丁寧に作られています。西陣の帯のしなやかな美しさを、爪先に。

西陣織とは

京都・西陣の帯は主に①正絹(しょうけん)という糸だけで織り上げたものと、②引箔(ひきばく)という強い和紙を裁断した糸状のものと正絹で織り上げたものとがあり、京都箔鳳工房の螺鈿彩アーティスト・山森博之氏は、引箔帯に30年程携わってきた。

引箔の中には焼箔、砂子箔・切箔、もみ箔、貼り絵箔などの技法があり、山森氏はその中の貼り絵箔を手がける。貼り絵箔とは楮(こうぞ)・三椏(みつまた)などの、繊維が強く丈夫な和紙の上に螺鈿やべっ甲、木の皮などを貼り付けていく彩色箔(技法)のことをいう。さらにその螺鈿などの貼り絵を金線描で仕上げ、油滴や砂子などの彩色や箔をあしらっていく。

一般的に「箔」とは薄くした金属や金粉などのことを指すが、西陣では貼り絵箔など彩色を施した状態の和紙を「箔」と呼ぶ。そうして出来上がった箔を裁断機にかけ、2mm幅ほどの細い糸状に裁断していく。製品は箔屋を離れ、「織り手さん」と呼ばれる織り職人の元へ送られる。織り職人は織機(しょっき)に先述した正絹(しょうけん)を縦糸にかけ、箔を横糸にかける。その昔西陣では、織り手さんが「ガッチャガッチャ」と糸を織る音が絶え間なく聞こえていたそう。